2025年7月より「駐車許可制度」が全国で統一され、原則1年以上の許可期間となります。
背景と目的
訪問介護や訪問看護のサービス拡大に伴い、介護・看護従事者が患者宅へ迅速に訪問できる環境整備が求められてきました。
一方で、訪問先の路上駐車に関しては、地域ごとに駐車許可の運用基準や有効期間がバラバラで、混乱や不公平感が生じていました。
こうした課題を解消し、訪問介護・看護の質と効率を高めるために、警察庁と厚生労働省は2025年3月から4月にかけて「駐車許可及び駐車規制からの除外措置の運用見直し」の通達を発出し2025年7月から全国で統一されたルールの適用が開始されることになりました。
通達の通知内容と狙い
[1]許可期間の統一
従来は自治体ごとに異なっていた駐車許可の有効期間を「原則1年以上」と定め、長期の許可を全国的に統一。
これにより、頻繁な申請手続きの負担軽減を目指します。
[2]審査基準の明確化
駐車可能な代替場所の有無を判断する範囲を「おおむね100メートル以内」と全国共通化。
また、通学路やバス路線など安全面で配慮すべき道路の留意事項を明示し、審査の透明性と公平性を高めます。
[3]申請手続きの全国統一
申請書類や添付資料、手続きの流れを全国的に統一し、申請者がどこでも同じルールで申請できるようにします。
[4]緊急訪問の除外措置の明確化
医師の指示を受けた看護師や助産師など、緊急訪問に用いる車両は駐車規制からの除外措置の対象となることを明確化。
緊急時の迅速な対応を支援します。
[5]不正使用への厳正対処
駐車許可証の不正使用が判明した場合は、警察が積極的に検挙し、許可取消や車両の使用制限命令の検討を行うなど、厳しく対処することを通知。
具体的な変更点
許可期間
(変更前)各自治体により異なり、数ヶ月単位の場合も多かった
(変更後)原則1年以上の許可期間に全国統一
審査範囲
(変更前)地域や自治体ごとに判断基準が異なり不透明
(変更後)駐車可能場所の有無は「おおむね100メートル以内」で統一。通学路やバス路線等の安全面留意事項を明確化
申請書類・手続き
(変更前)書式や添付資料、申請手続きは自治体ごとにバラバラ
(変更後)申請書、添付書類、手続き方法を全国統一し申請者の利便性向上
緊急訪問車両の扱い
(変更前)取り扱いが不明確なケースがあった
(変更後)医師指示の看護師や助産師の緊急訪問車両は駐車規制除外措置の対象と明示
不正使用対策
(変更前)取り締まりや処分基準が各地で異なっていた
(変更後)不正使用は積極的検挙、許可取消や使用制限命令検討など厳正対応を全国で徹底
【情報提供元】
訪問看護等に使用する車両等に係る駐車許可等に関する周知
https://www.n-helper.com/post/20250424
【お役立ち研修】