研修内容
症状対応を学ぶところから現場実践への落とし込みまで
記憶力や判断力の低下によって孤立しがちな認知症高齢者の方が、残存能力を生かしながら生活を継続していくために私たちにできる支援は何でしょうか。
また認知症の方の在宅生活を支援する家族の負担軽減につながるための取り組みにはどんなものがあるのでしょうか。
認知症の方や家族が不安なく生活できる社会をつくるためには、私たちが正しく認知症を理解し、認知症の方が気軽に社会参加できる環境や支える側の負担を軽減する状況をつくることが専門職として大切なのではないでしょうか。
「認知症の症状があるから仕方がない…」を免罪符に私たちは認知症の方への症状対応にばかり目が行きがちになっているのではないでしょうか。
今回の研修会では「BPSD発生の起因はケアの不快感」「認知症ケアの理論とツボ」「利用者の想いに近づき具現化していくアプローチ」「一面的な捉え方や家族の思い込みを防ぐ家族支援」を各テーマに認知症ケアの基本と事例を多角的な視点から学ぶことで、「なぜ?」「どうして?」を解消し日々の現場実践の落とし込みにつながることで、ワンランク上の認知症ケアを実現いたします。
タイムスケジュール
※予定している内容は変更になる場合がございます
講座【1】[東京]3月10日(日)10:00~11:50/[大阪]3月17日(日)10:00~11:50/[福岡]3月24日(日)10:00~11:50
日常生活場面でよく見るBPSDから考える認知症ケア
講師:中島 健氏(株式会社コスモ 専務取締役/認知症介護指導者)
【内容】
「お風呂には入らない!」「向こうに行け!」「急に暴れる」「デイでは出来るのに自宅だと何もせず家族を困らせる」など、ケアスタッフや周囲の方々を困らせるBPSD。認知症を有する方が「怒る」「抵抗(拒否)する」という場面が日常生活の中で多くありませんか?そして「私たちはこんなに頑張って介護してるのに全然ご利用者に伝わらない…」という悩みを抱えながら介護サービスを提供していませんか?BPSDの発生起因が利用者本人ではなく、周りの環境や根本的なケアでの不快感などが繋がっているからこそ、関わり方を見直していく必要性について事例などを基にお伝えいたします。
・どんなBPSDに困らせられた?私が困ったケア場面は○○です!
・そもそもBPSDってなに?なぜ?BPSDが発症するのかを考える
・BPSD発生後の関わりは「対処」BPSDを起こさないよう関わるのが「ケア」
・認知症に関係なく、自分の生活場面を振り返りBPSD発症要因を考え、私たちの【キレる(怒る)】【泣く】【人のせい】【自分探しの旅】…これらはBPSDと一緒。
・認知症を持つ方と私たちの違いは「認知機能」と「環境」
・環境を補完して不自由な生活を自由へ変える ほか
講座【2】[東京]3月10日(日)12:45~13:25/[大阪]3月17日(日)12:45~13:25/[福岡]3月24日(日)12:45~13:25
総合的認知症ケアの理解
~認知症の基本、BPSD対応、認知症リハ、ADL、活動・参加の改善などが分かる~
講師:妹尾 弘幸氏(総合介護施設ありがとう 総施設長/理学療法士)
【内容】
理解しにくいといわれる認知症ケアについて、総合的にわかりやすく解説します。
・今さら聞けない認知症の基礎
・世界の認知症ケアから学ぶケアメソッド
・具体的ケアからヒントを学ぶ
・明日から使える認知症ケア
・高次脳機能障害の利用者さんへのアプローチ事例
・ご利用者の意欲を向上させる取り組み事例 ほか
講座【3】[東京]3月10日(日)13:35~15:00/[大阪]3月17日(日)13:35~15:00/[福岡]3月24日(日)13:35~15:00
認知症利用者の想いに近づく実践的アプローチ
[東京・福岡]講師:香月 真氏(特別養護老人ホームなごみの里 リハビリ課 副主任/Roren 主宰/作業療法士)
[大阪]講師:玉置 裕美氏(公認バリデーション協会 バリデーションティーチャー)
【内容】
認知症利用者の想いに近づき、それをどう具現化していくのか。そのためには、どのように関わり、アプローチを行っていけばよいのか。それぞれの講師が実践してきた取り組みをお伝えいただきながら、認知症の方の活動量や意欲などが向上した事例などをお伝えいたします。
【東京・福岡会場】
・家族の介護負担が増え「認知症」の母として扱われていた事例
・セクハラ紛いの行動や場に合わない発言で集団から距離を置かれていた事例 ほか
・上記の問題行動とされる行動だけに焦点を当てることなく「出来る事」で社会と繋がった結果
・高齢者と社会を繋ぐモノ・コトづくり「Roren」の実践 ほか
【大阪会場】
・認知症高齢者の尊厳を回復し、世界観を知り再び心を通わせる「バリデーション」
・初耳の方も安心!バリデーションとは
・認知症高齢者の状態の局面(4つのフェーズ)に応じたコミュニケーションを考える
・認知症高齢者とのコミュニケーションで大切なことは何か
・どんな感情も大切!怒りに対するアプローチとは
・共感を用いたコミュニケーション ほか
講座【4】[東京]3月10日(日)15:10~16:30/[大阪]3月17日(日)15:10~16:30/[福岡]3月24日(日)15:10~16:30
認知症の人を支える家族の負担軽減につながる具体的ケア
講師:片山 大嗣氏(株式会社シラサギ 代表取締役/シラサギデイサービスセンター 管理者)
通所介護で求められている機能の一つである「家族負担の軽減」について、ただ預かるだけのレスパイトで良いのか…それともデイでの機能維持・改善につながる活動を通して利用者本人が地域や在宅生活を続けることができるよう活動量や活動範囲が拡大するのが良いのか。そしてそれを家族に具体的にどう伝えていけばよいのか。またスタッフは自分たちの関わりを「専門性」として家族や地域にどう発信していけばよいのか。事業所でどのように取り組んでいるのかをお伝えいただきます。
【内容】
・家族負担はただ預かるだけのレスパイト機能だけで本当に軽減されるの?
・認知症の方が地域で暮らしやすい環境をつくるための家族の理解
・役割やつながりを途絶えさせない
・十人十色の認知症ケアであれば十人十色の家族支援
・自分たちの取り組みを言語化するためのスタッフ教育 ほか
【情報交換】[東京]3月10日(日)16:35~17:30/[大阪]3月17日(日)16:35~17:30/[福岡]3月24日(日)16:35~17:30
[参加自由]今わたしが感じている認知症ケアの現場での困りごと